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2010年5月18日火曜日

独立国の矜持

 普天間基地の問題が予想通り片付きそうにありません。

 自民党政権時代に、何年もかけて検討した結果が辺野古案だったのですから、それを上回る案が政権が交代したからといって出てくる訳がないですね。結局辺野古に戻って来て、しかも「くい打ち」による滑走路など、そんな脆弱な滑走路で米国の了解を得られるわけないのは、わかりきったこと。日米関係は急速に冷えてきていますね。もともと、米国民主党は伝統的に親中なのです。かつて、蒋介石を助けて日本との戦争を仕向けたF・ルーズベルトも民主党ですからね。しかも、今の中国は日本をも上回るGDPを挙げつつあり、米中の経済的な紐帯もかなり濃くなってきています。伝統的に反共の共和党ですら中国との経済的連携に大きく舵をきったとしても不思議ではありません。

 しかも、民主党のかの大幹事長は600人もの子分を従えて訪中。沖縄の基地移設問題も併せて、「日本は米国をないがしろにしている」と反感、嫌日ムードが蔓延しても仕方のないことですね。一庶民としてはただ、切歯扼腕、うつろな目をした御仁に罵詈雑言を浴びせることくらしかできそうにありません。最近はテレビであの顔を見ると、すぐに消してしまいます・・・。

 沖縄の基地移設問題において、欠落しているのは「独立国家としての矜持」だと思っています。そもそも、独立国である以上、外国の軍隊が自国に存在しているのを当然と思うのは大きな間違いです。米国は例えばドイツや、英国にも基地を持っていますが、米国は基地使用料を支払って「使わせて貰っている」です。貸す方としては、「貸してやってる」のです。ところが、日本はどうですか?「使って貰っている」だけでなく、「思いやり予算」だが何だか知りませんが、地主への基地使用料や米軍基地で働く日本人の人件費、挙句の果ては光熱水費まで肩代わりしながら、かつ「使って貰っている」のです。古今東西こんな独立国はないでしょう。この国からみれば、米軍は「番犬様」なのです。

 かつてフィリピンでは米国のプレゼンスがなくなって、時の政府と国民は大喜びしましたが、今フィリピン政府が困っているのは、米国の撤退と同時に出てきた中国海軍の傲慢な回遊です。どこだかを占拠されてもいます。日本でいえば、中国との領有権を争っている魚釣島みたいなところです。仮に米軍がこんな日本に愛想をつかし、日本から一切の軍事的プレゼンスをグアムまで後退させたら、またたく間に中国がでてくるでしょう。それと、北朝鮮の脅威もあります。

 今、一国だけで自国を守れるのは、米中露の三カ国くらいでしょう。他の大多数の国は一国だけでは自国の防衛が危ういと考えて、自国の国防軍の外に頼れる友として同盟国を持っているのです。その根本は、独立国ならば当然であるところの「自国の国防」意識と、それを担保する軍事力です。欧州は強大なソビエトの軍事力が崩壊し、かつてのワルシャワ条約国はこぞってNATOに加盟したがっています。欧州では軍事的紛争の危機は大いに薄まっています。あるのはテロ組織との戦いだけです。それでも「国防」ということをないがしろにはしていません。一方、アジアは違いますね。北朝鮮というテロ国家が存在し、毎年軍事費を増大し続け、しかもそれを公開していない不気味な中国の存在があります。そんな中で独力で国家を防衛するのはかなり困難です。やはり米国の軍事力は是が非でも必要です。しかしながら、この国はもう少し自国を防衛するに足る気概とそれを担保する軍事力をもう少し考えるべきでしょうね。少なくとも核武装までも真剣に検討すべきだと思います。

 かつて、「カルタゴ」という国がありました。今でいうチェニジアです。この国は経済的繁栄だけを追い求め、自国の防衛を全て「傭兵」に頼っていました。世界史でいう第1次から第3次までのポエニ戦争でローマに完全に滅ぼされました。ハンニバルとかスピキオとかいう将軍の名前は知っているかも知れません。

 この国がかつてのカルタゴにならないよう明確な舵取りが必要だと思います。

「戦い好まば国滅び、戦い忘れなば国危うし」と中国の古典にあります。
少なくとも、政治家には最低限の知識として国防に関する知見が絶対に必要だと思います。
やわらちゃんには無理でしょうね。

もうあほかと・・・。