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2009年10月26日月曜日

20回記念で合宿!

祝20回開催!

 早いもので、2008年2月が第1回となった三と一の会も、2009年10月度の開催で20回を数えることになりました。これも毎回資料を準備してくれたプレゼンターと、それを支える会の皆さまのおかげだと思っております。

 合宿場所は信州蓼科高原。紅葉の美しさに目を奪われ、日本酒の旨さに酔いしれ、酔っ払った時しかいいことを言わないいつもの人の口舌に頷き、事前に計画していった決定予定事項のほとんどは決まらず・・・。基本的にはいつもの飲み会でした。総勢6名(男5、女1)の参加でした。

 来るべき30回に何をしたいか?その時までにどうなっていたいか?などなど、話し合った内容は密度が濃かったように思います。特に「この会はそもそもなんだ?」という極めて根源的な問いには、私自身上手に回答することができませんでした。菜根譚からとった「三と一」は説明できても、会の趣旨である「観を養う」とは一体どういうことなのか。それを説明できなかったのはまったくもって私の不徳、不勉強のいたすところでお恥ずかしい限りです。

 異業種交流会は「あざとい」、自己啓発は「照れくさい」・・・。それとは別の「愉快な飲み仲間」(入会基準である飲んで楽しい人というのは未来永劫遺したい基準です)であるにも関わらず、プラスアルファの「何か」があり、それを求めて人が集まってくるようなそんな会のイメージは、漠然とですがみんな共有できたと思います。

 その第三の道を表す言葉を見つけ、それを旗頭にもう一度「三と一の会」の趣旨を皆さんに諮りたいと思います。何かよい考えがあったら是非とも出して下さい。この会はどんな会であってほしいのか?

 詳しくは、次回11月6日の第21回三と一の会で説明したいと思います。

 最後になりましたが、今回の合宿幹事を卒なくこなしてくれた菅原さんと、ともこちゃんに合宿参加者全員の気持ちを代表して
心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 15時から飲み始め、途中眠って深夜の2時に起きたら、例の人はこんな素敵な顔になっていました(笑)。



2009年10月16日金曜日

片付かない物語

この夏目漱石の写真は最も人口に膾炙しているものだと思います。
最近知ったのですが、この写真の夏目漱石は今の私と同じ年だったそうです。
ちょっとびっくりしました。明治天皇の大喪の礼の時だそうです。
腕に喪章をつけてますしね。

さて、先月彼の後期3部作の最後である「こころ」を読了して、改めて、近代化への抗しがたい大きなうねりの中へ、否応なく投げ込まれざるを得なかった夏目漱石の悲哀というか、苦衷というかがわかったような気がしました。

前期3部作「三四郎」「それから」「門」から、後期3部作と言われる「彼岸迄」「行人」「こころ」と読み進めてきて初めてわかりましたが、彼の小説は決して最後に片付いていないのです。どこか中途半端で終わっているのです。
「こころ」の後に書かれた「道草」の最後は

「何、世の中に片付くものなんてありやしないのさ」と主人公がつぶやいて終わります。

「道草」は漱石の自伝とも呼ばれていますが、最後の主人公のセリフは漱石の心情を誠にうまく表していると思います。
彼は、そういう心持から一時も離れることができなかったのかも知れません。
後年彼は「則天去私」という境地を好んで使いますが、漱石は、最後までその「私」がどこの何者なのかの答えを探し続けて悶えていたような気がしてます。決して悟ったのではないと思っています。