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2010年7月31日土曜日

65年前の終戦記念日を思う その6

1990年代初頭の映画「メンフィスベル」です。


『無傷の"メンフィス・ベル"で最後の任務に飛び立つ、若き戦士たちの運命は…!』

1943年。イギリスの米軍基地は、ナチス・ドイツへのB-17による危険な白昼攻撃を繰り返していた。そんな中、その白昼攻撃を最後の任務として迎えることになった10人の若きクルーたちがいた。彼らが乗り込むのは、24回の出撃で唯一無傷を誇る戦闘機"メンフィス・ベル"。それでも撃墜の恐怖は消えるものではない…。それぞれの夢と不安を胸に、若者たちは、いまドイツ本土の激戦区へ向けて飛び立つ!



以上、アマゾンより

B17というのは、米軍の爆撃機です。日本を爆撃したのはこれではなくてB29です。「戦闘機 メンフィス・ベル」と出てきますが、戦闘機に10人乗りこめるわけなく、これは「爆撃機」の間違いです。この映画、なかなか面白かったので、皆さんにもお勧めします。

 このビデオを自宅で英国の友人と観た事があります。私としては、対ドイツ戦なので日本人の僕としても、英国の彼としても気まずい思いはしなくていいだろうなという思いがありました。劇中、主人公であるクルーの最後の出撃の前日、基地内で地元の女性も参加するダンスパーティがあるのです。アメリカの戦争映画ではよく出てくるシーンですね。

「おまえの国は戦争中にダンスして、娯楽があったんだなぁ」

と一人ごちた僕に、彼は「No dance party?」と目を丸くして僕に聞き返したのが印象的でした。つまり、彼は第二次大戦中の日本と、現在の日本のギャップを知るわけもないし、当時の日本でも、自分等の国と同じように戦争中とはいえ、休息も娯楽もあったはずと思ったわけです。

「ダンスどころか、食べるものも飲む水をなかったところが多かった。多くは死ぬまで帰れなかった」

「!!!」(外人特有の大きなジェスチャー付き)

と、こんなやりとりでした。僕は彼相手に熱く語ろうとは思っていませんでしたし、ただそんな状況でも戦ったかつての日本人を立派に思っただけです。


「撃つに弾なく、食うに米なく、飲むに水なし」

日本軍の戦線で日常的に見られた状況を表すとこうなります。
「父よあなたは強かった」という軍歌があります。

「敵の屍とともに寝て、泥水すすり草を食み」
という歌詞が出てきます。これを米国人に教えたところ、「これは前線の悲惨な状況を訴える反戦歌か?」という答えが返って来たと、阿川弘之の本に出ていました。

僕はよく思います。かつてのこの国の人間が受け入れなければならなかった運命の下、果たしてこの自分に父祖と同じような振る舞いができるのだろうかと・・・。極限の状態の中でリーダーシップを発揮できるのだろうか、任務を果たす事ができるのだろうかと・・・。


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