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2010年12月12日日曜日

ケネディ騎士団

今日は漫画の話。

僕が13歳頃に読んだ漫画です。その時既に復刻版でした。昭和41年に連載が始まったものらしいので。

作者は望月三起也。「ワイルド7」の作者といえば40代の人にはお分かりかな。

この作者の特徴は、映画のワンショットを思わせるシーンにあると思っています。とにかく、非常にカッコイイ構図がたくさん出てくるのです。拳銃、自動小銃なども詳細に描かれていて、僕にはたまらないのです。

さてこれは「ケネディ騎士団(ナイツ)」といいます。ケネディ大統領と、彼と同窓であった日本人「フジワラ」が、世界平和を守る組織を、欲の深い大人でなく、純粋な少年たちだけで組織するのです。その組織が「ケネディ騎士団」と呼ばれるもので、ケネディ大統領が暗殺された後に、組織として立ちあがります。


30年以上前に読んだものですが、そのシーンも、主人公の言うセリフも覚えていたものが多くて、自分でもびっくりしました。僕がなぜこの漫画にこだわるのかいうと、これ、ストーリーによっては、「騎士団」の騎士たちが仲間を救うため、任務を果たすため、命を投げ出すことが多いからです。平気でバタバタと団員たちが死んでいくのです。自分の命のより大事なもののために・・・。

昭和41年といえば、戦後21年しかたっていません。この前後の時代には、多くの「戦記漫画」が世に出ていたと思います。僕の知っているだけでも「ゼロ戦レッド」「ゼロ戦ハヤト」「烈風」「紫電改のタカ」など、かなりあります。そのすべてを読んでいるわけではないのですが、「戦争」という行為云々ではなく、それぞれに描かれる主人公たちの「正義」をめぐっての物語だと思います。


昔の国家主義や軍国主義は、それ自体は、間違っていても教育としては自我を抑止していました。だから今の個人主義が間違っている。自己中心に考えるということを個人の尊厳だなどと教えないで、そこを直してほしい。まず日本人が小我は自分ではないと悟ってもらわないと。(中略)善悪は別にして、ああいう死に方は小我を自分だと思っていてはできないのです。だから小我が自分だと思わない状態に至れる民族だと思うのです。自分の肉体というものは、人類全体の肉体であるべきである。理論ではなく、感情的にそう思えるようになるということが大事で、それが最もできる民族としては、日本人だと思います。

これは、日本数学史上最大の数学者といわれる岡潔の言葉です。文中「ああいう死に方」としているのは、特攻隊のこと。

ケネディ騎士団という少年漫画で描かれた「命を捨てる姿勢」も、岡のいうこの文章をよく表していると思います。最近の漫画はさっぱりわかりませんが、すくなくとも戦後20年くらいの間までは、そのようなことを漫画で表現することが社会的には認められて、多くの読者がついていたということですね。その頃といえば、まだ戦争経験者が社会の第一線で活躍していた時代ですので、戦場での「体験」という事実が頑として存在していたことと関係するのかも知れません。


今日はこれまで。

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