「東芝、サムスンと提携」
昨日の日経一面記事。2010年の世界半導体ランキングの世界2位と3位が提携したことになるそうです。
「敵の軍門に降った・・・」
僕は即座にこんな感想を持ちました。まあ、いろいろ理屈はつくのでしょうがね。サムスンの創業者、今は会長になっていますが、その彼の強烈なリーダーシップは非常に有名ですね。東芝はその「彼」に負けたことになる。
いつだったか、「サムスンはソニーの売上高を抜いた」という記事を読み、驚愕した記憶がありますが、サムスンに負けたのは東芝一社だけではなく、日本の代表的家電メーカー8社の営業利益額合計は、サムスン1社のそれに満たないという事実を突き付けられては、負けたのは何も東芝だけではなく、日本企業そのものですね。
「一体日本企業はどうしたというのか!」
これが僕の偽らざる感想です。
タイトルの言葉、「合従連衡(がっしょうれんこう)」とは、「史記」に出てくる言葉。戦乱の世で生れたこの言葉をこの記事で想起しました。
合従連衡:時流を読み、その時々の利害に応じて、互いに協力したり離反したりすること。また、巧みな計算や外交上の駆け引きのこと。
時代に2千年以上の開きがあるとはいえ、人間のなす事というのはあまり変わらないのが本当の所ですね。人間の進歩など、そう考えるとちゃんちゃらおかしいと思ってしまいます。
おかしいといえば、同紙「春秋」では一橋大学楠木建の「ストーリーとしての競争戦略」が触れられていました。僕は日経記事に限らず、「戦略」という言葉使いの多様にはどうも違和感がある。
http://3and1-ryo.blogspot.com/2010/06/blog-post_18.html
そもそも、「競争」というのは「戦略」ではなく「戦術」のレベルですね。語義矛盾だ。マイケル・ポーターも間違っている。
「よい戦略とは、わくわくする物語であるべきだと楠木さん。どう世のため人のために役立つか。リーダーの語る物語性を社員も共有できるなら、仮に仕事が大変でも「明るい疲れ」になるはず、と。間もなく仕事納め。年明けにトップが語る「今年の戦略」は、聞く人をわくわくさせるだろうか。」
と、こんな風に「春秋」は締められているのですが、ここにある「戦略」を「計画」と置き換えても文意に全く変わりはなく意味は通じることになる。そういう代替可能な言葉があるということは、実はその言葉でしか表現し得ない何物かを却って覆い隠すことになりはしないか?大体「今年」などいうスパンで語るのを「戦略」というのか・・・。
今日はこれまで。
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