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2011年7月1日金曜日

ドナルド・キーン

以前、「現代の小泉八雲」として彼のことを書きました。

http://3and1-ryo.blogspot.com/2011/04/blog-post_28.html

先日、NHKで彼が取り上げられていて、一体日本の何が彼をして「日本という女性と結婚した」と言わしめたのかの一端がわかりました。

彼は戦後、高見順の日記のあるくだりを読み非常に感銘を受けたそうです。その内容は、高見が大空襲の直後に、東京から逃げ出そうとする人でごった返す駅でみた光景を描いた日記でした。おおむね、高見が描いた大意は以下のようになります。

家を焼かれ、肉親を殺されたにもかかわらず、駅のホームで列車を待つ人礼儀正しく順番を待ち、整然と落ち着いていた。私(高見)は、その姿をみて思わず涙が出てきた。私は、この日本人たちとともに生き、そして共に死のうと思った。

おそらく、キーンが最終的に日本への帰化を決定した大きな理由は、今に蘇った高見に描かれた光景であったと想像します。大震災後に、世界から驚嘆の目をもって迎えられた日本人の姿であったのでしょう。

そして、彼は高見と同じように「この日本人と共に生き、共に死のう」と思ったに違いありません。テレビを見ながら僕はそう感じました。

今日はこれまで。

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