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2011年8月13日土曜日

66回目の終戦記念日を思う その5

昭和20年8月15日の敗戦を機に、陸海軍関係者の自決が相次いだ。夫妻で自刃した杉山元陸軍元帥や、陸軍大臣だった阿南維親、特攻隊産みの親と言われる海軍の大西瀧次郎中将など・・・。 その数は500名を超える。

しかしながら、酷な言い方をすれば、それはただ敗戦の責を追った自決であり、多くの部下将兵を死なせたことへの責任感の現われに過ぎないともいえる。

世上知る人は少ないが、あの敗戦で少なくない数の民間人が自決をしている。彼らはなぜ自ら「死」を選び取ったのか?

何かを回避するためではなく、純然たる信条体系の挫折のために、もしくは、自殺のうちに何らかの積極的意味を見出したがために、自刃した人々・・・

橋川文三は、こうした人々の自決を問題として、それを「敗戦と自刃」という書物に著している。


敗戦を契機として、大日本帝国という政体が崩壊しただけでなく、「神国日本」という体系までもが
崩壊した。

それは、神の世界から人間の世界に降り給うことを宣言した天皇の「人間宣言」ではなく、自らその天上の世界に上ったそれら市井の民間人の自決にこそ象徴されているのではないだろうか?


今日はこれまで。

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