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2011年6月12日日曜日

懐かしい名前「むつ」

本日(12日)の日経に原子力船「むつ」の名が出ていた。

昭和40年代生まれの人はおそらく知らぬ名だと思う。僕が小学校5年生の時に世間を賑わした名だからだ。10歳の時。

日本史上、「むつ」という名前はこれで2つ目だった。一つ目は帝国海軍の戦艦「陸奥」。2つ目がこの原子力船「むつ」である。

最初の「陸奥」は終戦間際、港に停泊中謎の大爆発を起こして湾内に沈んだ。水兵による故意の爆破だったと何かで読んだことがある。ちなみに、そのようなことがいわれるのは帝国海軍の戦艦では2隻目。その最初は日露戦争時の連合艦隊旗艦「三笠」である。

さて、2隻目の原子力船「むつ」。これはヒロシマ・ナガサキの核アレルギーをもつ日本が、「原子力を制した」と宣言するような実験船だった。動力が「原子力」なのである。ところが、処女航海時だったかに船内で微量の放射線が放出するという事故を起こしてしまい、世の中は大騒ぎになった。母港に帰るにも、どこかへ寄港するにも、地域住民から猛烈な反対運動が起こってどこにも帰れなくなる事態に陥った。

10歳の僕が当時の覚えているのは、その世の中の騒動のみ。最終的にどう決着したのかは分からない。

おそらく、その7、8年後に「むつ」から漏れ出した放射能は、テレビのブラウン管からでる放射線量と大差がなかったと知って愕然とした。要するに、「原子力」で日本の自立を望まないアメリカの陰謀に日本のマスコミやらはまんまと乗ってしまい、それに国民も騙されたということ・・・。まったくと取るに足らない事故だったらしいのだ、本当は。

田中角栄を失脚させたのと同じようなもの。


この「むつ」が福島第一原発の事故を受け、汚染監視の海水を採取する役目を担っているというのだ。ただし、名前は「みらい」だそうだ。この記事「春秋によると、

74年、太平洋上での初の出力試験で微量の放射線漏れを起こし、改修工事を終えて再び出力試験にこぎつけたのが事故から16年後の90年。その翌年に念願だった「原子力船」の認定を受けたが、92年には原子炉を停止し、あえなく廃船・・・。いまはディーゼルエンジンで動く船だとのこと。

とある。

戦艦「陸奥」といい、この「むつ」といい、まるで名前が呪われているのかようである。

この記事。少々引っ掛かるのが「微量の放射線漏れ事故」という表現。僕の幼き印象では、どうもそんな風には世の中はみていなかったと思うのだが・・・。自らの責任には目をふさぎ、他人の責任だけを糺すというのはマスコミの常套手段だからな・・・。

今日はこれまで。

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