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2010年11月8日月曜日

秋の空 その2

 最近は、どうも「四季」というものがその様変わりをさぼっているようですね。


特に今年などは猛暑が終ってすぐに冬がきたような気がします。昨日は「立冬」でした。


僕は四季の中で「秋」が一番好きなんです。若い頃から、「夏」が終わると1年が終わったような気がして、その物悲しさを、色づき始める木々の緑と、つるべ落としのような夕日の残映が、一層それを飾るような気がするのです。


わが家から大きな柿の木が見えます。


今は、たわわに実をゆらすその枝が見事です。ちょうど西の方角にありますので、夕焼けの中で浮かぶその姿は何ともたとえようがありません。


「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」


有名な正岡子規の歌ですが、細かいことは知りません。ただ、僕はこれは夕方の情景であると確信してます。もしかしたら違うかも知れませんが、真実がどうかは問題ではないのです。この歌は僕の心にある「秋」という心象、そのものだからです。


「解釈に動じないものこそ美しい」


小林秀雄の言葉です。その意味の一端は、存外こんなところにあると思っています。


今日はこれまで。



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