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2011年1月27日木曜日

「ヒーロー」ものの主題歌

僕の世代にとって、「仮面ライダー」というのは絶対的なヒーローだった。

仮面ライダーは僕が2年生の頃に始まった。それからおそらく4年生くらいまではかかさず観ていたと思う。

そういう正義のヒーローが、地球やら世界の平和を守るために悪の組織と闘うストーリーは、間違いなく小学校時代に夢中だった。

今の子供たちは、それを小学校入学前に卒業するらしい。娘をみているとそうだし、娘の友達もそのようだ。僕なんか3年生の頃の写真をみると、「変身」ポーズをとっているのが多いが、今の小学生でそんなことをしている子はほとんどいないのではないか。つまり、昔は変身ベルトは小学生のものだったが、今は幼稚園児のものだということ。


昔は、「正義の味方」という「型」があった。その主題歌にもそのエッセンスが流れていたように思う。

「赤い太陽 それより赤い 胸に正義の血潮が燃える」

これは「紅三四郎」という漫画の主題歌だが、今でもこの歌を聴くと何かしら心が疼く。「正義の血潮」という歌詞にだ。仮面ライダーもショッカーと戦うのは「世界の平和を守るため」だと主題歌にある。

正義のヒーローとは異なるが、いわゆるスポ根ものの代表である「巨人の星」。その主題歌の歌詞は「思いこんだら試練の道を ゆくが男のど根性」。今流行りのタイガーマスクにいたっては「ルール無用の悪党に 正義のパンチをぶちかませ」だの「フェアープレイで切り抜けて 男の根性見せてやれ」だのだ。僕なんか「いい歌詞」だなあと今でも思う。ちなみに娘には幼稚園の頃にその歌を教えた。


今のヒーローものの歌には「正義」などという言葉は一切出てこない。なんか「正義の味方」でもないのだ。今の仮面ライダーは仮面ライダーオーズというのだが、その主題歌は大黒摩季が歌っている。とても正義の味方を讃えたり、鼓舞したりしている歌ではない。普通の歌である。そういえば、篠原涼子が歌った「いとしさとせつなさと心強さと」は、ゲーム「ストリートファイター」の為に作られた歌らしいが、あのような格闘ゲームの歌ならば、昔ならば必ず「根性」という歌詞が入ったはずである。

一体、いつからこのような歌に変わってしまったのかを仮面ライダーを例にさくっと調べてみた。

昭和の終りの仮面ライダーブラックの歌は、阿木燿子作詞、宇崎竜童作曲というもので、その中には「時を超えろ 空を駆けろ この星のため」とか「君はみたか 愛が真っ赤に燃えるのを」とかが入っていて、変身する主人公も「正義の味方」らしかった。

次いで昭和最後となる「仮面ライダーブラックRX」の主題歌も「光のオーロラ身にまとい 君は戦うひとになれ 傷つくことを恐れたら 地球は悪の手に沈む」と始まり、最後は「Wake Up Theヒーロー 太陽よ 愛に勇気を与えてくれ」となって「仮面ライダー」の連呼で終る、

歌詞が変わりつつはあっても、まだ「正義」とか「勇気」とかが讃えられている。これは正義の味方の歌である。

その後仮面ライダーは10年間ほど休止し、2000年に復活する。仮面ライダークウガとなって。そしてこの歌になると、かつての「正義の味方」の歌ではなくなるのだ。続く仮面ライダーアギトも同様で、完全に普通の歌となり、正義だの平和だのは一切出てこなくなる・・・。

とまあ、こういう次第です。子供対象の正義のヒーローものからも「正義」が消え、「正義の味方」という型も消えたことになります。

これは、間違いなく時代の空気を表していますね。よ~く調べたら面白いと思うな。

今日はこれまで。


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