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2011年4月9日土曜日

桜に託するもの その2

世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

この在原業平の歌は有名ですね。


桜も満開になってきたようです。折口信夫ではないですが、僕も「桜」には悲しいイメージがあります。この国に大東亜戦争の歴史があるからです。その悲劇は、僕の心の中で「桜」の花に投影されるからです。

同じ花なら散るのは覚悟
見事散りましょ国のため

「同期の桜」という軍歌の歌詞にこうあります。軍歌といえば、士気を鼓舞するものなのに、この物悲しい歌詞と、それを奏でる曲の悲しさは一体どういうことなのでしょう・・・。




敷島の大和心を人問はば 朝日ににほふ山桜花

本居宣長のこの有名な歌ですが、これは、逆しらな「漢意(からごころ)」を排し、すべてにつけて自ずからなる「大和心」を尊んだ宣長が、それを桜に託したものです。

さくらさくら今咲き誇る
刹那に散りゆく運命としって

最近の歌謡の歌詞にもこうあります。


最後にもう一つ。西行の歌を

願わくば花のもとにてわれ死なん その如月の望月のころ


今日はこれまで。

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