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2011年2月11日金曜日

豪州とのEPA

まったく、TPPだとEPAだのFTAだの、アルファベット3文字が新聞を飾らない日はないですな。

EPAはEconomic Partnership Agreementの略で、経済連携協定というものだそうですが、FTA(=Free Trade Agreement)とどのような違いがあるののかはよくわかりません。

豪州とのEPA締結に向けて頓挫していた交渉が再び始まったとか。豪州は日本にとって中国、米国に継ぐ第三の輸入国なんですよね。

2月7日の読売新聞記事によるとですねぇ、

豪州から日本への輸出額は約3.2兆円で、そのうち、62.5%を石油・燃料が占めています。次いで18.5%が鉱物性製品、農林産品は8.4%です。これらを「有税」「無税」で分類すると、日本からみて豪州からの輸入品の89.8%は既に無税となっています。つまり完全なる自由貿易。有税は10.2%でそれは農林産品への関税ということになります。

一方、日本から豪州への輸出額は1.2兆円で、最も多くを占めているのが自動車の45.3%で、後は化学工業製品とか一般機械が多くなっています。しかし、自動車を含め日本からの輸出品の70.3%には関税がかけられています。無税は僅かに29.7%でしかありません。

日本は立派に開かれた国になっているのは明らかではありませんか。どこのどいつだ鎖国だとか言っている奴は?


日本は豪州から牛肉、小麦、砂糖、バターを輸入しています。豪州牛肉の一番のお得意様が日本で、小麦は3番目、砂糖は2番目、バターも2番目と、豪州にとって日本は上客なわけです。それをもっと買ってもらおうと、まあこういうわけですな。

豪州は日本からの自動車や一般機械等の輸出品に対し5%の関税をかけています。日本はそれを無税にしてもらいたいのと、鉱物資源などの安定供給、豪州はその見返りに現状牛肉の関税38.5%や、小麦の251.8%、328%の砂糖、360%のバターを0に、若しくは大幅に引き下げろと・・・。こういうことでしょうね。

TPPとは異なり、このEPAは例外も認められているようですので、その例外品目とその関税率が交渉の重要案件となるわけです。

ちなみに、日豪が交渉開始に合意した2006年に農水省が試算したところによると、仮に関税撤廃ならば小麦と砂糖は壊滅し、牛肉と乳製品は半減するらしい。


NBAにコービー・ビーン・ブライアントという選手がいます(した?)。彼のスペルはKOBE BEAN なのですが、この名前の由来、何と神戸です!うろ覚えですが、彼の父親が神戸牛を初めて食べた時、そのあまりのおいしさに感激して、息子の名前にまでその「肉」の名前をつけたらしい・・・。

息子に食べ物の名前をつけることが理解できませんが、まあそれほどのおいしさだったのでしょう。日本が誇る松坂牛も、輸出すれば売れるかも知れませんね。松坂大輔がMBAで華やかなりしころに売り出せばチャンスはあったかも知れません。あと何が売れそうですかね?

しかしながら、オバマ大統領は一般教書演説において輸出攻勢を明確に打ち出しました。それにはドル安が望ましい。ということは、おそらくこのドル安はアメリカの方針としてこのまま続いて行くのではないでしょうか。

菅総理は「座して死を待つ農業ではいけない」と言いました。おそらく農産品の積極的な海外進出も念頭にあったに違いありません。その意気やよし。しかし、円高ドル安ではただでさえ割高な日本の農産品に二重の打撃を与えることになる。そうなると、たとえ松坂牛でも、神戸牛でも、その値段の高さに外国の消費者はとても手が出せなくなる・・・。となると、農産品の輸出など夢のまた夢。


ホントにどうするんでしょう・・・。この2国間交渉さえ締結する道筋のないまま、TPPなんぞに参加できるはずがない。

今日はこれまで。




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