人気の投稿

2011年5月27日金曜日

海軍記念日 空気

5月27日、本日は海軍記念日です。これは「日本海海戦」大勝利をおさめた日を記念したというわけで、同じように陸軍記念日というのもあって、こちらは「奉天会戦」が行われた3月10日です。どちらも日露戦争での出来事で、あれにより日本が世界列強の中に入って行ったわけですので、それを記念顕彰しようというのはよくわかります。

しかし、その後の歴史をみると日露戦争での日本の勝利は多くの弊害を残したように思います。たとえば、「精神力偏重」ということでしょう。勝利の原因を日本軍人の艱難辛苦によく耐える精神力としたわけですからね。

日本海海戦で一躍国民のヒーローとなった東郷平八郎もは、彼我の物理的戦力量を正確に認識していたからでしょう、その不足を補うために猛烈な訓練を施します。そのこと自体はいいのですが、後に

百発百中の砲一門、能く百発一中の砲百門に勝る

という事を言い、「月月火水木金金」といわれるもう訓練を海軍に遺しました。極めて精神的なもので、戦力というもののもつ物理的・精神的要素のうち、物理的なものを捨象したようなものですね。砲は1門より100門の砲がいいに決まっている・・・。

日露戦後は、陸海軍だけでなく政府、一般国民のうちにもこういった「空気」を蔓延させました。誰も言葉で言ったわけでないのに、いや言葉でないからこそ否定できないもの、それが「空気」です。

もう言葉にしたくないですが、原発注水の中断問題。今になって注水中断はなかったとか新聞報道にありますが、そこで目にした記事に「官邸はそんな空気ではない」ということが、東電に伝えられて東電はそれにあたふたしたと・・・。

またもや「空気」か・・・。

この国は何にも変わっていない。何にも変わっていないこの国が、なぜかつてのこの国の歴史を否定したりできるのか・・・。目くそ鼻くそを笑うと同じようなものです。

今日はこれまで。

追伸)山本七平に「空気の研究」という本があります。名著だと思います。日本人の集団の中で、それがいかに大きなものなのかがわかると思いますよ。












にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿