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2011年9月24日土曜日

光より速いという興奮とTPPに関するあきらめ

今朝の読売新聞の1面。

驚きました!

「光より速い素粒子観測」


アインシュタインの特殊相対性理論が覆る新発見ということになるのですから、これは驚きました。僕自身は、光よりも速いというのはあり得ないことだと思ってましたし、それが自明の理だと思ってましたけど、ニュートリノという素粒子は光よりも僅かに速い速度で飛ぶことが明らかになったとか・・・。

この今回の発表にしても、特殊相対性理論を覆す衝撃の大きさを考慮し、測定誤差かもしれないということを何度も何度も繰り返し実験してそれを打ち消した上で発表に踏み切ったのだとか・・・。

確か、ホーキング博士がタイムマシンによる時間旅行の可能性について「否定も肯定もしない」と言ってましたが、最新物理学の世界では、理論的にそれは可能だということが定説らしいです。

今後、この結果を受けどのような体系付けられた理論が出てくるのか?非常に興味深く、かつ待望されることです。

それにしても、あらためて思うのはアインシュタインの偉大さですね・・・。まさに「神」の領域。今ほど実験技術のなかった100年前に、あれだけの理論を組み立たのですから。 もしかしたら現代物理学は、彼の理論は本当か否かの検証に費やされていたような気もします。


さて、またTPPです。

本当に不思議でならないのですが、なぜ新聞は「製造業対農業」という図式でしか説明しないのでしょうか。そして決まって「開国」という言を使います。新聞がこんな言い方しかしないので、TPPへの参加は日本の「消費者」にとっての利益だという言説がでてくるのです。

何度も言いますが、真っ赤な嘘です。TPPへの参加は国を滅ぼします。その思想的なことを抜きにして状況的なことだけを考えてください。このデフレ時期にさらに安い製品が流入したらデフレはますます加速するだけです。そんなことすら分からないのか?

それと、大事な点ですがTPPは農業とか製造業にかかわる関税だけの問題ではなく、締結の議題には「医療」「金融」「労働」「政府調達」と20以上の分野での自由化がテーマとしてあるのです。

「労働」で考えて見ましょう。TPP交渉国のほとんどは労働市場の輸出国ですよ。低賃金で働くことを甘受するそれらの労働者が大量に流入してくることも想定されるのがTPPに参加するということなのです。そんな事態を想像できますか?

「医療」で考えますと、日本の医療制度(保険診療)が根底からゆらぎ、金持ちと貧乏人の受けられる医療サービスに差が出てくる可能性が出てきます。同じ「癌」で、貧乏人(保険診療)と金持ち(保険適用外診療)で治癒の可能性に大きな差がでてくるような世の中をどう考えるか、想像力を働かせてください。

アメリカは病院の株式会社化を日本市場で展開しようと目論んでいます。そこでは保険診療が基礎となり、等しく同様の診療を受けられる日本の現行制度を障壁とみているのです。


今、この国はTPPに関するこれらの問題点を想像することも奪われています。マスコミが事実を報道しないからです。政治家もこのような正論、つまりはTPPで交渉される全ての議題を公表するだけのことですが、それすらも述べる人が少ないですね。いや、いてもマスコミに無視されれば、国民は知ること能わず・・・。


同じく本日の読売新聞の記事では、枝野経産相は「早期の交渉参加は日本の主張をTPPのルール作りに反映できる利点があるが・・・・」と述べたらしいですが、この発言もアホ丸出しです!

多国間交渉での締結の決め手は多数決。交渉参加が早かろうが、遅かろうが日本と主張を同じくする国は、他の交渉国には皆無なのです。よって、日本の主張など認められるわけがない。

少なくともアメリカは、日本だけを標的にしてます。日本の市場だけでなく金融資産も虎視眈々と狙っています。

TPP参加が消費者の利益になるとか、日本農業も積極的に世界の市場に打って出るべき・・・とかいうことだけで物事を考えてはいけないのですよ。

今日はこれまで。

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