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2010年10月10日日曜日

自分で書いた本ながら・・・

 およそ2カ月で書きあげた原稿用紙800枚の大作「226」。商業出版の芽が出ず、いつかは自費で出さなければならないと考えています。気が向いたときに読み返して、未だに誤字脱字を修正してます。これはきりがないですね。


 自分が手に入れたかった226事件の全貌、つまり事件勃発の社会的背景から事件勃発後4日間の様子、そして公判の過程と判決及び処刑までが1冊にまとめられたものとして書きあげたつもりですが、自分で書いたものにもかかわらず、涙が出てくる箇所が多いです。


 中隊長に強制的に事件に連座、つまり「命令」という形で駆り出された上、事件後には一方的に降等(軍曹から一等兵とか)となった下士官が多くいるのですが、彼らは公判において「こんな情況になっても中隊長を恨みません。今でも信頼しております」と言い、「私は死刑を覚悟しておりますが、裁判長殿にお願いがあります。死ぬ前にもう一度中隊長に会わせて頂きたくお願いいたします」言ったりしたのです。それほどの信頼と忠誠を集めた、30歳前後のかつてのこの国の若者に、僕も会ってみたかったと強く思います。そして、それほどの人間になりたいとも思います。


 また、下士官の中にも将校と変わらぬ思いを抱いて自発的に参加した者がいるのですが、「国法を破る悪いことだとはわかっていました。でもやらずにはおれなかったのです。」「私ら下層階級の者はああでもしなければ救われる事はありません」と堂々と公判で主張します。


 そういう、彼らの心情を思う時いつもうるうると目頭が熱くなるのです。




 今日はこれまで。






 

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