山本常朝の「葉隠れ」。
岩波文庫で上中下3巻が出てます。原文のままで訳がありません。読みやすいことはないですが、読んで意味不明ということもなかったです。先日通読しました。
巷間のイメージとは違い、あの本は「処世」を説いたものです。鍋島藩の藩士として、奉公人としての心構えを説いたものですね。どうも有名な一節「武士道というは死ぬことと見つけたり」だけが独り歩きしてますが、決して一見ファナティックに見えるものだけが書かれているわけではない。
「酒席」での振る舞いや、「人に意見する方法」「批判の仕方」「部下をほめること」「翌日の事は前の晩から考えておく事」等々。今書店に多く並ぶビジネス本と同様です。「奉公人」を「サラリーマン」と置き換えれば、現代の「処世」としても立派に通用しますね。
ただ、前提にこうあります。
武士道に於いておくれ取り申すまじき事
主君の御用に立つべき事
親に孝行仕るべき事
大慈悲を起こし人の為になるべき事
この4つの請願を立て、毎朝仏神に念じることと。つまりは「志」を立てろということです。それをもって初めて「奉公」が可能となるとしているのが、現代とは異なる所でしょうか。
今日はこれまで。
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